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01月05日(土) 西日本新聞

長崎の教会群とキリスト教史跡 世界遺産へ民間も後押し 施設修復の基金創設

 世界文化遺産の候補として暫定リスト入りしている長崎県の「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の正式登録を後押しするため、同県内の学識者や経済関係者らが特定非営利活動法人(NPO法人)を設立し、今月から本格活動を始めることが4日、分かった。民間主導で老朽化が進む教会修復の基金を創設するほか、観光客向けの巡礼ツアーの企画、教会施設を観光客に公開する場合のルールづくりなどに取り組む。


 NPO法人は「世界遺産長崎チャーチトラスト」。長崎市のシンクタンク「ながさき地域政策研究所」理事長の脇田安大氏らの呼び掛けで昨年12月に設立。県内の私立大学学長や元文化庁課長、カトリック長崎大司教区関係者、観光ガイド、県幹部らが理事に就き、理事長には長崎大学OBの福地茂雄・次期NHK会長が就任した。

 個人、企業の会費と寄付金などで運営。今月中旬に長崎市で設立披露を兼ねたイベントを開催後、教会修復支援の基金づくりなど本格的な活動を始める。特に、信仰の場の教会を観光資源として活用する場合、信者らの反発や周辺環境の悪化を招かないルールづくりが不可欠だとして、県民、観光客にも理解と協力を求める。

 2011年の正式登録を目指す県と連携し、正式登録後も施設周辺の環境保全対策などに行政とともに取り組むという。

 NPO法人設立を呼び掛けた脇田氏は「行政や教会任せでは世界遺産に登録されても、永続的な地域振興にはつながらない。遺産の保護と活用の両立をみんなで考え、実行する仕組みづくりを進めたい」と話している。


 長崎の教会群とキリスト教関連遺産 国内に現存する最古の教会建築・大浦天主堂(国宝、長崎市)や国指定重要文化財・黒島天主堂(佐世保市)、
国史跡・原城跡(南島原市)などで構成。長崎県と長崎市など5市2町の共同提案を受け、文化庁は2007年1月、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産暫定リストの国内候補に決定、同年6月にリスト入りした。250年に及ぶ潜伏と「信徒発見」、現在に至る国内でのキリスト教の変遷を伝え、国内外の建築文化を融合した教会意匠が高く評価されている。長崎県は福岡、熊本両県の教会などもリストに追加することを検討。2011年の正式登録を目指している。

=2008/01/05付 西日本新聞朝刊=2008年01月05日05時05分