雲仙・普賢岳の噴火災害で6本の橋を失った水無川上流域の島原市白谷町で、「吉祥白天(きっしょうしらてん)橋」が完成し、25日、開通式があった。対岸の田畑に行くにも迂回(うかい)を余儀なくされてきた住民らは、約30台のトラクターで渡り初めをし、完成を祝った。(篠原太)
国土交通省雲仙復興事務所などによると、噴火前の水無川には河口から約1・8キロの国道57号より上流に長さ約10~30メートルの6本の橋があり、生活道路として利用されていた。しかし、1990年11月の噴火に伴う火砕流や土石流で93年4月までにすべて流失。同町の農家の多くは対岸に農地があり、農機具で交通量の多い国道を通るなどしてきた。
このため、住民らは2002年に上流域の架橋を目指す推進協議会を発足。署名活動とともに、同事務所に要望していた。
橋は国道57号から約400メートル上流に、国が約6億円をかけて建設。土石流災害を防止する導流堤をまたいで架けられた全長204メートル、幅5メートルで、これまでの迂回距離約2・5キロは大幅に短縮される。
式には同協議会メンバーや住民ら約300人が出席。同事務所の渡部文人所長や吉岡庭二郎市長がテープカットなどをした後、トラクターが列をなして橋を渡った。
同協議会の吉田義春会長(77)は「農機具で国道を通るため、事故の危険も大きかった。新しい橋が地域の発展のために大きな役割を果たしてくれるはず」と感慨深げだった。
(2008年8月26日 読売新聞)