生まれ故郷や応援したい県や市町村に寄付をすると、住民税などが軽減される「ふるさと納税」制度が五月に施行されてから四カ月あまり。県を含む県内十五の自治体に、計二百十八件、千百八十一万一千円の寄付が寄せられたことが長崎新聞社の調べで分かった。財源に乏しい地方自治体の新たな収入として注目された同制度だが、「評価する」と答えたのは全自治体の三分の一にすぎず、期待通りの成果は挙がっていないようだ。
本社と支社・支局を通じ、県と県内十三市十町に、八月末現在の制度の運用状況を尋ねた。寄付があったのは県と十一市三町。県を除けば、寄付総額の約八割を市が占めている。最高は県の二百五十三万八千円で、南島原市の二百九万六千円、五島市の百九十二万円、雲仙市の百四十四万八千円、新上五島町の百三十六万円と続く。一件当たりの寄付の最高額は南島原市、新上五島町の各百万円だった。
寄付金条例がなくても制度は活用できるが、寄付者の意思を反映させるため、寄付金の使い道や基金の創設、寄付実績の公表方法などを条例によって定めたのは五自治体。ほかに六自治体が年内の条例制定を目指している。
制度の評価については、「評価しない」との回答はなかったが、十六自治体が「どちらとも言えない」と答えた。その理由として、「自治体間で寄付の奪い合いになる恐れがある」(県など七自治体)、「税控除の手続きなどが複雑で寄付者の負担が大きい」(長崎市など六自治体)などを挙げたほか、「転出が多い地域に交付税を多く配分する方がより平等」(西海市)など三自治体が地方交付税の充実を求めている。