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2008.10.20(月) 毎日新聞

長崎発!:島原を愛した人

 映画「まぼろしの邪馬台国」(11月にロードショー公開)の試写を長崎市で見せてもらった。

 島原鉄道の元役員で盲目の作家、宮崎康平さん(1980年に62歳で死去)と妻和子さんの夫婦愛を描いた物語。邪馬台国を探して九州各地を夫婦で訪ね歩き、著書「まぼろしの邪馬台国」で第1回吉川英治文化賞を受賞した実話に基づくもので、けっこう楽しめた(夫婦を竹中直人と吉永小百合が演じている)。

 この映画を製作した東映の岡田裕介社長が長崎市での集まりで次のようなスピーチをしていた。

 「宮崎さんは50年前に地方おこしは農業と観光であるというようなことを言っている。一番最初に(日本で映画の)ロケ誘致をしたのは、たぶん宮崎さんだったと思う」

 それは「君の名は」(第3部)という昭和29年の松竹映画のこと。私は未見だが、雲仙が舞台の一つになっているという。これは観光客誘致に効果があったことだろう。そこに宮崎さんの存在があったとは知らなかった。ロケ誘致第1号が事実なら、その先見性に脱帽するほかはない。

 「康平は(「君の名は」の原作者)菊田一夫さんに(誘致を)直訴しました。島原半島は農村が主体で、何の産業もないところでした。農家が作ったものをより多くの人に食べてもらうには、観光客に来てもらう必要があると考えたのです」

 和子さんはそう話す。観光客が来れば、雇用が生まれる。列車やバスにも乗ってもらえる。「康平は島原を、そして九州を愛した人でした」

 亡くなって28年。宮崎康平さんは今度は自身がモデルになった映画で、再び観光客誘致に一役買おうとしている。映画には宮崎さんの孫で、将来有望な女優になるかもしれない宮崎香蓮さんも、若き日の和子さん役で出演している。何だか宮崎康平さんが最強の“長崎応援隊長”に思えた。<長崎支局長・前田岳郁(たけふみ)>

〔長崎版〕

毎日新聞 2008年10月20日 地方版




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