地質資源を活用した自然公園「ジオパーク」活動を推進する日本ジオパーク委員会(委員長、尾池和夫・国際高等研究所フェロー)は20日、長崎県の島原半島、北海道の洞爺湖有珠山、新潟県の糸魚川の3地域を国内候補地として、世界ジオパークネットワーク(GGN、事務局・パリ)に加盟申請すると決めた。各種審査を経て早ければ来年秋にも国内初の加盟が決まる見通し。
GGNは国連教育科学文化機関(ユネスコ)の支援で2004年設立。欧州と中国を中心に18カ国、57カ所のジオパークが加盟。地形や地層、岩石などの地質資源を地域振興や観光、教育などに活用している。
日本からの加盟申請は今回が初めて。山陰海岸(鳥取県、兵庫県、京都府)と室戸(高知県)を含めた5地域から応募があり、同委員会の専門家がヒアリングや現地調査などで審査した。
島原半島は、火山の恐ろしさを伝える1990‐96年の雲仙普賢岳噴火などの被災遺構と、温泉やわき水などの恵みがあることから「火山との共生」を考えるジオパークとしている。同委員会は島原、南島原、雲仙の3市の連携を評価した。一方、火山専門の学芸員育成などソフト面の強化、看板による地質資源の情報提供不足などを課題に挙げた。
洞爺湖有珠山地域は、2000年に噴火した有珠山、昭和新山、カルデラ湖の洞爺湖など「変動する大地との共生」がテーマ。糸魚川地域には、日本を東西に分ける断層と大地溝帯「フォッサマグナ」がある。
会見した尾池委員長は「火山地域のジオパークは世界的には珍しいが、審査でどう評価されるかは課題。2地域の違いを出す必要がある」と指摘し「加盟が認められれば、大地の仕組みに関心が高まり、地域の経済活動や文化発展にも貢献できる」と期待した。
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科学的に貴重で景観的にも優れた複数の地質資源がある自然公園。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の支援で設立された世界ジオパークネットワーク(GGN)が各国の国内委員会から加盟申請があった地域を審査、認定する。単に貴重な地質資源があるだけでなく、自然観察ガイドの養成などを通じ、地球科学や環境問題に関する教育活動、観光振興、経済振興に継続的に地域住民と一体となって取り組むことなどが認定の条件とされている。
=2008/10/21付 西日本新聞朝刊=