島原半島が「世界ジオパーク(地質遺産公園)」の国内候補地に選ばれた20日、国内認定第1号を目指して準備を進めてきた関係者は安堵(あんど)とともに、大きな喜びに包まれた。
島原市役所ではこの日、市役所の応接室に同市の吉岡庭二郎市長、金子知充・雲仙市副市長、岩本公明・南島原市副市長ら関係者が集まり、日本ジオパーク委員会(JGC)からの連絡を待った。午後5時10分ごろ、緊張した表情でJGCからの電話を取った吉岡市長は、候補地決定の連絡を受けるとほっとした表情を見せた。
その後の記者会見で、吉岡市長は昨年11月に同市で開かれたアジア初の火山都市国際会議を振り返り、「(島原半島の良さが)世界の皆さんに認められ、住民、行政、研究者が一緒に取り組むことができた。会議の成功がこの成果につながった」と喜んだ。
雲仙地域は1934年、霧島、瀬戸内海とともに最初の国立公園にも指定されており、金子副市長は「来年は国立公園指定75周年の年。ジオパーク認定も実現したい」と期待を込めた。
南島原市には原城跡など世界遺産の候補もあり、岩本副市長は「世界に認められる歴史文化資産、地質資産が半島に2つあることが地域の誇りになる」と話した。
一方、九州大地震火山観測研究センター(島原市)の清水洋教授は「世界への申請はこれから。ほかの2地域と比べ、学術的な成果や魅力を発掘する専門的な人や、それをわかりやすく説明するガイドなど人的な分野での課題もある」と気を引き締めていた。
雲仙温泉のプロガイド組織「雲仙ガイドさるふぁ」代表を務める佐々木雅久さん(42)は「正式に認定されれば、ガイドの役割がより重要になる。責任も感じるが、楽しみでもある」と喜んでいた。(篠原太)
(2008年10月21日 読売新聞)