食品加工会社「キャセイ食品」(東京都中央区)の阿部俊八社長は十日、国産とした冷凍野菜に中国産をまぜて販売していたことを明らかにした。
農林水産省は既に同社を立ち入り調査しており、週内にも日本農林規格(JAS)法に基づき改善指示を出す方針。
阿部社長によると、中国産をまぜていたのは長崎工場(南島原市)。二〇〇一年ごろから始まり、野菜はブロッコリー、インゲン、サトイモの三種類で、販売先は六-七社。製品の出荷は十月二十八日に停止している。
阿部社長は「長崎工場の独断で偽装が行われていた」と説明、「消費者と得意先に誠に申し訳ない。社内調査で事実を明らかにしたい」と話している。
長崎工場(南島原市布津町)には、今年五月に不正競争防止法違反容疑(原産地の偽装表示)で逮捕され、長崎地裁で有罪判決を受けたニチエイ食品工業(島原市)、日栄物流(同)=いずれも破産申し立て=の元社長(56)が以前勤務していた。
民間の信用調査会社などによると、元社長は一九九七年、キャセイに入社し副工場長などを務め、二〇〇二年十一月ごろまで勤務していたらしい。
ニチエイの事件の判決によると、元社長は今年一-四月、中国産のインゲンやサトイモなど計約七千四百キロを「国内産」と記した段ボールやシールを使って偽装し出荷。利益を得ていた。偽装の手口について、元社長は七月の公判で、キャセイ食品在籍時に方法を知ったことを陳述していた。
しかし元社長の関係者は「キャセイの産地偽装は、元社長が主導していた」と証言。真相ははっきりしないが、元社長を通じキャセイ食品の問題とニチエイの事件の関連もうかがえる。
キャセイ食品長崎工場は十日、一時閉鎖。地元の契約農家の男性は「(キャセイ食品は)農家に対し生産方法の指導をするなど独自の厳しい基準を持った会社だった。まさかという思い」と複雑な表情で話した。
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