食品加工会社「キャセイ食品」(本社・東京)で中国産の冷凍野菜を「九州産」などと偽って販売していたことが明らかになった10日、産地偽装の舞台となった南島原市布津町の長崎工場では、契約農家や取引業者らが訪れ、驚きと戸惑いの表情を見せた。
約50人が働いているという長崎工場はこの日、操業が休止され、ひっそりと静まりかえっていた。
10年間ほど野菜を出荷しているという南島原市深江町の契約農家の女性(70)は、出荷のために持ってきた約40キロのインゲンを見つめながら「これからもまだまだ収穫があるのに、どうすればいいのか……」と表情を曇らせた。
工場の様子を見に来たという同市布津町の契約農家の男性(76)は「工場からは何の連絡もなく、操業休止は全く知らなかった。先週来たときには何も変わった様子はなかったのに」と驚いていた。
一方、包装資材を提供している福岡市の業者は、報道を受けて工場に駆けつけたが、工場は施錠され、従業員も不在。「キャセイ食品の本社とも連絡がつかない状態。在庫もまだ残っているし、まいった」と困惑していた。
(2008年11月11日 読売新聞)