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2008.11.15(土) 長崎新聞

キリスト教伝来前は浄土信仰か 南有馬で宗教事情解く板碑発見

 戦国時代にキリスト教布教の拠点となった有馬氏の領地、島原半島でキリスト教信仰が広まる前の宗教事情を解明する手掛かりとなる「阿弥陀(あみだ)如来来迎図」の自然石板碑が、南島原市南有馬町の民家敷地内で見つかった。来迎図の拓本は十五日から開かれる世界遺産登録推進特別企画展「有馬の城とキリシタン」で展示される。

 同市世界遺産登録推進室によると、板碑は安山岩製。地面から露出している部分の高さ約百センチ、幅八十センチ。来迎図自体は縦五十八センチ、横三十三センチ。大正時代に発行された原城跡のパンフレットに「村最古の碑『日之丸観音』」として文章で紹介。旧南有馬町教委もこの記述は把握していたが、所在地は不明だった。

 長崎の教会群とキリスト教関連遺産の構成資産、原城跡(国指定史跡)の周辺調査を行った同推進室職員が八月、同市南有馬庁舎(旧南有馬町役場)そばの民家敷地で発見。県文化振興課の大石一久課長補佐の協力で板碑の拓本を取り、阿弥陀如来来迎図と判明。天文二(一五三三)年の年号が確認された。

 大石課長補佐は「板碑の来迎図が確認され、有馬地域に主に浄土宗系の浄土信仰が定着していたことがうかがえる」と指摘。「浄土信仰にある地獄・天国の思想はキリスト教のインヘルノ(地獄)、パライソ(天国)に通じ、民衆がキリスト教を受け入れやすい宗教的土壌があったのではないか」と分析している。

 文書や書簡などで有馬地域で浄土信仰があったことは推察されていたが、板碑の発見でより有力になった。

 同推進室は「大変貴重な板碑。所有者にも説明し、文化財として保護する方向で検討したい」と話している。



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