◇「学習」「観光」で地域振興
島原半島など全国3地域が先月、世界ジオパークネットワーク(GGN)に加盟申請する国内候補第1号に選ばれた。GGNの審査に通れば「島原半島ジオパーク」は国際的に認知される。ジオパークは地形や火山、災害遺構などを一種の自然公園(ジオパーク)として保全・活用するものだが、まだまだなじみが薄いのも事実。理解のためのキーワードは「学習」と「観光」だ。【山崎太郎】
◇5テーマで構成
島原半島ジオパークは、23の「ジオサイト」から構成される。サイトは平成新山や千々石(ちぢわ)断層、温泉など地球の活動によって形成された、地学的に高い価値がある場所のこと。湧水(ゆうすい)や火山性の植物など広範囲に及ぶものも含まれる。
23の中にはカウントされないが、南島原市特産の「手延べそうめん」もジオサイト。ミネラル豊富な雲仙の伏流水がそうめん作りに使われており、地学的背景が地域の文化に根ざしているからだ。
各サイトは5テーマに分類され、全体としてまとまっている=別表(地図参照)。島原市ジオパーク推進室の杉本伸一室長は「ジオパークとは数々のジオサイトを回ることで島原半島の成り立ちから、災害、防災への取り組み、自然の恵みまでを学ぶことができる場所」と説く。
◇保護→活用
「世界遺産の地質版」と言われるジオパーク。世界遺産が保護を強調しているのに対し、ジオパークは保護だけでなく「観光などを通して地域の発展を育成する」と明言されている。このため、ジオパークが島原半島の観光振興につながるとの期待は大きい。
雲仙岳災害記念館の河本冨士雄館長は「旅行は単なる物見遊山からテーマ性を持ったものになっている。『ジオパーク』は個人ツアー、中国からの観光客、修学旅行生誘致のアピール材料になる」。
一方で、旅行会社への売り込み、海外でのプロモーション、ガイドら人材育成など、課題は多い。河本館長は「『島原半島ジオパークツーリストビューロー』など司令塔を作ってうまく磨き上げないと、花火を一発上げて終わりとなりかねない」とも指摘した。
〔長崎版〕