兵庫県の企業が旧国民年金健康保養センター「くちのつ」(南島原市口之津町)の施設を買い取り昨年二月開業したホテル、ヴィラスピカ南島原(石井光哉総括支配人)が三月十一日で閉鎖されることが十七日分かった。不況に伴う売り上げの悪化が原因で、わずか一年余りで営業をやめる。
社会保険庁が管理していた全国の年金福祉施設約三百施設は二〇〇四年、売却処分が決まり、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)が順次売却。一九八〇年開設の「くちのつ」は、業務用スーパーのフランチャイズチェーンを展開する神戸物産(本社・兵庫県稲美町)が買収、ヴィラスピカ南島原として昨年二月十九日にオープンした。
ヴィラスピカ南島原によると、昨年九月以降売り上げが下降、故障した大浴場の改修を先月までに済ませるなど存続へ向けた投資もしたが、二月十一日の臨時取締役会で閉店が決まったという。
地元採用の四十三人の従業員は全員解雇する方針。石井総括支配人は「稼働率九割超でも赤字が多少あった。それでも地元の皆さんが利用していただいたおかげでマイナスをこれだけに抑えることができた。従業員の再就職に向け、情報や申し出があれば全力で対応したい」と話した。
既に事前予約以外の宿泊予約受け付けを終了。日帰り利用での客室利用や入浴、食事と宴会だけを受け付けている。
同ホテルは白砂と松林のコントラストが美しい白浜海水浴場に隣接。南島原市は「立地環境が良く、期待していただけに残念。厳しい状況だが、従業員の再就職に向け力を尽くしたい」としている