長崎市の平和祈念像で知られる南島原市出身の彫刻家、北村西望氏(1884‐1987)から雅号の「西望」を名乗ることを許された長崎市の日本画家東(あずま)西望(本名東廣幸)さん(52)が、南島原市を初めて訪れ、自身が描いた水墨画を寄贈した。
青森県の奥入瀬渓谷を描いた水墨画で題名は「春を待つ」。6日、同市役所で松島世佳・南島原市長に手渡した東さんは「北村先生は自分が絵を続けてきた原動力。6月に東京で開く個展に、北村先生が生まれ育った南島原市の木、ガジュマルをテーマにした大作を発表したい」と意気込んでいた。
東さんは、日本画を修行していた20歳のとき、当時の師匠から「姓が東なので『西を望む』の名前にするように」と命じられ、おそるおそる北村氏のアトリエへ。当時89歳だった北村氏に「ジャンルが違うから」と快諾され「精進して絵を続けるように」と激励されたという。
24歳のときにけがで失明寸前となり、絵をあきらめかけたこともあったが、「北村先生から頂いた名を汚さぬように」と思い直して修行を継続。長く東京で創作活動を続け、2年前に故郷の長崎市に帰ってきた。
現在は「創造美術会」の日本画部長を務め、日本画のほか陶芸にも挑戦している。
=2009/04/12付 西日本新聞朝刊=