◇長崎文化の豊かさ感じる
江戸後期の漢学者、頼山陽(1780~1832年)とゆかりの文化人が長崎に残した書、画60点を集めた「お帰りなさい 頼山陽」展が雲仙市小浜町の「森の美術館in雲仙」で開かれている。頼が同市千々石町の旅館に宿賃代わりに揮毫(きごう)し、行方が分からなくなっていた漢詩書が190年ぶりに戻ってきたことから開催された。6月14日まで。
頼は1818年に九州を回り、田能村竹田、広瀬淡窓らと交流。その後、中国の書家、江芸閣に会うため、当時唯一海外に門戸を開く長崎を訪れた。しかし果たせず、茂木から熊本へ向かう船が難破し千々石に漂着。天川屋旅館に泊まり、漢詩を揮毫したという。
同旅館の現社長、山中一樹さん(77)が、漢詩の価値を知っていた鍋島藩の医師が買い取ったこと、その末裔(まつえい)が東京で保管していることを突き止め、07年に返してもらった。
漢詩書は長さ128・5センチ、幅26・2センチ。朱子学者、程道明の七言絶句の一部「辞するなかれ盃酒十分の酔--」に本名、頼襄(のぼる)の印を押している。
会場には、この漢詩書の複製のほか、江、田能村、広瀬らの書なども展示。森の美術館主の関啓治さん(69)は「当時、海外の文物や文化人が長崎に集まり、頼らが学びに来た。長崎文化の豊かさを感じてほしい」と話す。【古賀亮至】
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