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91年6月3日の大火砕流で消防団員の夫安男さん(当時37歳)を失った大町寿美(すみ)さん(52)を島原市の自宅に訪ね、この18年間の思いを聞いた。 リビングに、背もたれがソファより一段高い真っ赤な椅子があった。2人がドライブに使っていた愛車「ケンとメリーのスカイライン」の運転席だった。島原半島内は寿美さんが、半島を出ると安男さんが運転したという。災害から数年後、廃車にする際に「残したい」と運転席とハンドルを引き取ったのだ。 農業をやめ、パートに出て「夫ならどうするだろう」と常に考えながら3人の息子を育てた寿美さん。ソファの右隣にぴったり付けた運転席を見ながら、打ち明けた。「夫婦が乗っている車とすれ違うのが、一番つらいです」。寿美さんには「6・3」はまだ乾いた歴史になってはいない。【古賀亮至】 〔長崎版〕
6月16日朝刊
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