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雲仙の俵さん種イモ開発、全国発信 突然変異を利用
2010.1.4(月) 長崎新聞

雲仙市瑞穂町の農業、俵正彦さん(55)が自ら開発し、国に登録したジャガイモの新品種「タワラポラリス北極星」など5品種の種イモ生産に乗り出す。俵さんは「5品種とも環境に適応しようと突然変異したものを発見、増殖を繰り返して固定化し登録した。いずれも病害抵抗性があり、色や形、味に特長がある。全国に広まり、愛されれば」と話している。

 俵さんは「南米アンデスの高原が原産のジャガイモは、蒸し暑い日本の風土で生き抜くため突然変異種が必ず出てくる」とにらんでいた。

 1987年、俵さんは約200万株のジャガイモを収穫。皮が白色の「メイホウ」に赤い帯が入った1個を見つけた。「ジャガイモは本来赤紫色。先祖返りを思わせる赤い帯こそ、変異のサインだった」と振り返る。それを種イモとして植えてもできるのは白いイモばかりだったが、3作目に皮全体が赤い数個が見つかった。栽培を繰り返すたびに白いイモを除き、固定化。発見から10年後の97年「タワラムラサキ」の名で新種登録を果たした。

 それまで品種開発は国レベルの研究機関で行われ、個人の新品種登録は俵さんが第1号となった。その後も「最先端技術を駆使して開発する交配種よりも、突然変異種の方が優位」との信念の下、膨大な時間と労力をかけて変異種の開発に成功。2000年に4品種、08年にはメークインの変異種で長細い「タワラ長右衛門宇内(うだい)」などこれまでに計10品種を登録した。

 日本では、独立行政法人種苗管理センターなどが無菌化した「原原種」から増殖したジャガイモでなければ種イモとして販売できない。俵さんの5品種は県の申請を受け、同センター北海道中央農場で無菌化。原原種受け入れ団体としても県指定を受けている俵さんの「俵農場」にこのほど原原種が届いた。

 俵さんは「赤皮など有色種は光合成を防ぎ、えぐみが少ない。細長いものは調理しやすい。5品種とも暑さに強くて沖縄でも育つ。気候風土に合ったところで栽培され、人気が出てほしい」と願っている。

 既に食品関連など大手企業数社が俵さんの新品種を取り扱いたいと商談に訪れている。5品種の種イモは今年の春と秋作計約15ヘクタールで作付けし、種イモ約300トンの収穫を見込んでいる。来年は約50ヘクタールで約1千トンと生産拡大を図る計画だ。





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