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大火砕流で犠牲になった消防団員の1人、大町安男さん(当時37歳)の三男真樹(まさき)さん(22)が今春、島原市で消防士として一歩を踏み出した。「父のように人を助ける仕事がしたい」。真樹さんは日々、訓練に励んでいる。
安男さんは葉タバコ生産などの傍ら、消防団活動にも力を入れていた。5月24日に火砕流が初めて発生。規模が拡大したため、上木場地区は避難勧告地域になった。消防団員も域外に出た後、無人の住民宅で報道関係者が電源を盗用したことなどが発覚した。同地区に戻って警戒していた6月3日、安男さんら12人が火砕流にのみ込まれた。
末っ子の真樹さんは父親似で、安男さんは「自分にそっくり」と喜んでいたといい、「3人のうち、誰か消防士になってほしい」と話していた。大火砕流の数日前には、「消防で死ねたら本望たい」と漏らしていたという。
父を誇りに思っていた真樹さんは福岡の大学に進学し、消防士を志望。昨年末、島原地域広域市町村圏組合消防本部(島原市)に採用された。母寿美(すみ)さん(53)は「よかったね。頑張らなんたい」と祝福してくれた。
被災当時は3歳で、父の記憶はほとんどないが、先輩をそばで見ていると、命を懸ける現場にいることを実感し、父親をより尊敬できるようになったという。
3日は仕事だったが、非番となる父の命日の4日、自宅の仏壇で手を合わせ、「一生懸命頑張るから、天国から見守っていてください」と伝えるつもりだ。(篠原太)
(2010年6月4日 読売新聞)
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